退屈(後半)[飼育0日目]

僕は小さな頃、恐竜が大好きで、図鑑を毎日のように眺めていたり、絵を描いたりしていた。

いつからか疎遠になってしまっていたが、そのオオトカゲの動画を見ていると、その頃の自分が思いだされると共に、どうしようもなく爬虫類に対する飼育欲が湧いてきて、急いでネットで爬虫類について調べた。

中でも1番僕の心にキたのが、「フトアゴヒゲトカゲ」だった。まるで恐竜のようなトゲトゲしさと愛らしい顔。さらに値段も手頃な上、育成が比較的簡単で初心者向けだというではないか。

「この子が欲しい」

僕はそう思った。


何だかんだ生体以外の初期投資が結構かかると知ったり、ケージを置くスペースを確保するために部屋の模様替えを行なったり(結局上手いことスペースを確保できず、僕の部屋のクローゼットは半分封印された)したため、最初の決断から2週間弱の期間が空いてしまった。

が、その間僕は爬虫類のことをネット・書籍で調べ、爬虫類専門ショップを4,5件周り、爬虫類カフェへ行き、ケージ等を少しずつ揃え、それらから得た知識を嬉々として事業所の同僚や先輩方に聞かせドン引きさせていたりしているうちに、ついに「東京レプタイルズ2019」が開催。吟味を重ね、ついにフトアゴヒゲトカゲお迎え当日となったのである。